「岩手・宮城内陸地震」現地レポート 5
7月5日(土)〜6日(日)
栗駒は、とても暑〜い日でした。 今年は、空梅雨なのでしょうか?梅雨入りしてもまとまった雨が降りません。被災地にとって雨が降らないのは好都合なのですが・・・。
もう顔なじみになった、耕英地区でイワナの養殖をしているおじさんが言っていました。 「ヘリコプターから山を見ると、山のいたる所に亀裂が入っているんだよ。あんなじゃ、山崩れもこれで終わりってことはないと思うよ・・・」「大雨が降ってダムが決壊したら、土石流がアッという間にここまで来る。町の防災無線を聞いてから逃げたって間にあいっこないよ。大雨が降ったら土石流が来るかもしれないって思わなきゃいけない・・・」「土石流は土が練られて練られて来るから、体に付くと体が締め付けられて、動けなくなるんだよ・・・」
ハートネットのマスコットバンは思ったより重症で、まだ入院中のため、今回の炊き出しも残念ながら焼き物だけ。定番の「焼きとり」の他に「ウィンナー」「サイコロステーキ」も登場しました。 子どもたちからは「いつになったら蒸しパンつくれるの〜?」と言われ、「車がまだ入院中なの、退院したらね・・・」と答えるしかありませんでした。 6日に、お隣でオールとちぎの皆さんが提供してくださった「宇都宮の餃子」は大好評!本当に美味しい餃子でした。(お持ち帰り分まで頂きました。ごちそうさまでした。)
5日は土曜日で学校もお休み。子どもたちは朝から避難所周辺で遊んでいました。子どもたちの姿は見えないのに「焼きとり屋さん来てるよー!」「ボク、焼きとり屋さんのところにいるね!」と、遠くの方から聞き慣れた声が聞こえると、なんかとってもおかしくなって笑ってしまいました。
日本最古の染色技法「正藍染」を守り続けている「藍の里」、文字地区。この地区も裏山の一部が崩れ、現在も一部通行止めになっています。以前から気になっていた地区でしたが、私たちが見る風景に、それほど大きな被害は見あたりませんでした。 しかし、川は確かに濁っていました。清流で流すという藍染め最後の作業行程を今年は断念したそうです。
5日、耕英地区の家屋調査があり、1世帯1名の方が自衛隊のヘリコプターで一時帰宅されました。 「今週末が、「イチゴ」の収穫時期の山場。カゴをしょってでも採りに行きたい・・・」と話していた耕英地区の方々。 しかし、国交省が徒歩での一時帰宅に中止の要請をしたとのニュースを耳にしたので「イチゴはどうなるのだろう・・・?」と心配していました。 3時半過ぎに、自衛隊のヘリコプターによる一時帰宅から戻られてので、「焼きとり」を持って「伝創館」に入っていくと、顔なじみになったイチゴ農家のおじさんが、「ちょうどお腹が空いてきたところだよ・・・」と声をかけてくださいました。 「イチゴどうでした?」と聞いてみると、「もうあきらめたよ・・・」「採れるだけは採ってきたけど、こう天気が続いたらもうダメだ・・・。今日採ってきたイチゴだってヘリの振動でジャムになりそうだったよ・・・」「イチゴの話をするとこいつ(奥さん)が泣くからさ、あんまり話できないんだ・・・」 「今日採ってきたのそこにあるから食べて・・・!」「これが空輸で届いたイチゴですね?」大きくて真っ赤なイチゴ。パクッと口に入れると口の中は、甘〜くてちょっぴりすっぱいイチゴでいっぱいになりました。 「雨が降ってきましたよ!」と言って、誰かが中に入って来ました。 「雨降ってきたって?」「よかった〜。今日は、8月、9月に収穫できるイチゴの苗を定植してきたんだけどさ、水をかける時間がなくって・・・。雨が降ってきたら、もう大丈夫だ・・・」
「山に行ったら鳥の声が聞こえた・・・。もう鳥もいなくなっちゃったかと思ってたから安心したよ。ウグイスも鳴いてたし、アカショウビンも鳴いてた。」「アカショウビンが鳴くと雨が降るってオヤジが言ってたんだ。アカショウビンの鳴き声は、雨が『フルルルルルル・・・・』って聞こえるんだよ。アカショウビンが鳴いてたから、今日は雨が降るなぁ〜?って思って山を下りてきたんだけど、よかったよかった・・・」
「地震前にジャガイモを植えてうねをたてて来たんだけどさ、今日行ってみたら、地震で揺すられてうねが平になってジャガイモが地面に出てたよ。もうダメだと思ってイモを取ってみたら根っこが生えてたんだ・・・」「生きる力ってすごいねぇ〜。ジャガイモだって頑張ってんだから、オレたちも頑張らなきゃなんないって思ったよ・・・」 そう言っておじさんはちょっと視線をそらしました。 頑張らなくっちゃという思いと、毎日山へ行って仕事ができない悔しさ。私たちもとてもつらい気持ちになりました。 夜眠れなくて薬に頼っている方もいるようです。
耕英のイチゴはとっても美味しかった! 耕英地区復興のために私たちにできることはないかなぁ〜?
中村紀子
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